困ったが、困っていない。
本書のベースになっている「新文化」の連載を、私は毛嫌いしていたのだった。
なんで業界紙で、ネガティブな話を読み物にするのか。
確かに構造的な問題やら不景気やらはあるかもしれないが、
記事としての分析はともかくとして、救いが見えない連載を
する必要があるのだろうか、と。
筆致は淡々としながらもユーモアがあり、ほろっとさせられたりして
つい読まされてしまう。
そんなところにも腹がたった。
誰が、何のためにこんなにうまい文書いているんだ。
なんか、よくなるのかね、これを読んで。
そう思って、気になりつつも頑張って読んでいなかったのでした。
今、単行本を通して読んで、
突きつけられた事実に向き合うのを避けていただけだったのかな。
直視しても、何かがよくなるわけじゃないから、と、言い訳をしていた
だけかもしれない。
と、思った。
本書は、暴露本ではない。
告発本でもない。
一書店店長の、仕事風景である。
迷いや怒りややりきれなさや喜びのある風景である。
迷いや怒りややりきれなさや喜びのある風景は、どこにでもあるかもしれない。
出版社に勤めているものとして、それっぽい感想を述べることもできるかもしれない。
でも、
働いていた店が閉店になり、会社に残る道もあったが、その道を拒み、
これからどうするかを、ちょっと、ゆっくり考える、ということにした、という
その決断に対しては、私は「おつかれさまでした」という言葉しか持たない。
最初から、本書について何か書くのは無理だと分かっていた。
昨夜酔っ払って勢いで書いたけど、とても公開できるものではなかった。
途中で寝落ちして、本当によかった。危なかった。
ひとことでいえば本書はそんな本でした。